内容としては、「ナラティブ」が投資をするしない、雇用を増やす減らす、
などの経済活動における判断にどのような影響を及ばすか?という問題に取り組んだもので、
ビットコインやAIなど、流行の背景や心理などいくつかの例をあげながら、著者の考えを述べていくという内容です。
これを読めば勝つる!というのが好きな、選ばれし養分層向けの内容ではないよ。
ざっくり言うと
現状では仮説段階であり、今後検証可能になることを期待される状態でのものなので、
なるほどーと頷いてしまう部分、いやそれはどうなの?と思うところが混在します。
それでも「あー、こう感じてこの心理で買った!(投資した)」と感じたことも多いので、
SNSと相性が良すぎるナラティブがもてはやされる時代には一読の価値はあると思います。
訳者も後書きで内容については批判的な意見を述べていきますので、
批判的に検証していく訓練にもなるでしょう。
ビットコイン・ナラティブの例
第一章から抜粋ですが、なぜそこまで価値が認められて流行ったか?という点について、
いくつかの理由が述べられます。
・今も正体不明の人物サトシ・ナカモト
・デジタル知的層入りへのパスポート
・政府統治を嫌うアナーキスト
・ラッダイトナラティブ
あたりが持論として展開されていきます。
個別にはふれませんが、大まかにいうと
”そこに「物語」がないものは流行せず、価値も見出されない/創造されない。
人の不安と不満をカタチにして、反映したものでないと「物語」にならない。”
という感じかと思います。
でも純粋にお金儲けだけを考える勢、拝金主義に近い層が想定されないのは片手落ちかなと。
余談ですが、通貨の価値とは?なんで紙に価値があるの?となってしまう人におすすめな二冊
こちらはとにかく読みやすいです。
が、体系的に(学問的に)把握するのは自分でツリーやスレッドをつくらないと難しいかも?
こっちはマクロ経済としての話の枠内で説明されるので、
通貨についてのみ、というわけではありませんがマクロ全般を学びたいならおすすめ。
おすすめな理由
物語がどれほど人生に影響するか?と考えれば、
ナラティブが判断動機や流行に影響することは不思議なことだとは私は感じません。
漫画とか小説の影響大きすぎる人生ですし笑
しかし、それは現時点では「結果論からの逆算として、たまたま合ってる」だけのことで、
定式化した未来予測や価値創造のフォーミュラとはまったく言えないとも思うのです。
その一方で、結果的に正しいとして許容できるものだけを演繹していく方法をとった時、
そこに見えるものが”だいたい正しい”というのは”間違っている”ということにはならないでしょう。
本書はそういう事例についての思想を学びつつ、批判的にかつ分析的に物事を見ていくためにもおすすめです。


