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離れられないのは自分の手で何かをつかんではなさないから~ひょうたんと猿の話



ひょうたん猿の逸話というものがあります。

出典はS スマイルズ. 自助論のこちら。

>アルジェリアのカビール 地方の農民は、ひょうたんを木にしっかりとくくりつけ、中に米粒を入れておく。ひょうたんには、 サルの手がちょうど入るくらいの穴が開い ている。 夜になると、サルは木のところに来てひょうたんの穴に手を突っこみ、 米粒をわしづかみにする。 そして握った手をそのまま引き抜こうとするのだが、 きつくて抜けない。 手をゆるめればいいのに、そこまで知恵が回らないのだ。

S スマイルズ. 自助論―――「こんな素晴らしい生き方ができたら!」を実現する本 (知的生きかた文庫) (pp. 150-151). 三笠書房. Kindle Edition.

本来の意図はさておき、何かから抜け出せない、何かに囚われてしまっているというのは自分でそうしている。
ということも表すことができそうな例え話です。

絵でかくとこんな感じでしょうか。
(ひょうたん→壺、米→バナナにしちゃいました)

握っているものを離せばすぐに手は離せるのに、そのことに気づけない図ですね。

他人が気になって仕方ない、何かが気に入らなくてしょうがないとかまさにこれでは。

ちなみにこの話が本当に存在するのかは知りません。

後世になって「アレ作り話やで?」って結構あるよね。

―余談 自助論・150年前の意識高い系書籍

出典のサミュエル・スマイルズの「自助論」ですが
「西国立志編」として覚えてる人もいるのではないでしょうか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8A%A9%E8%AB%96

>『西国立志編』として[1871年](https://ja.wikipedia.org/wiki/1871%E5%B9%B4 “1871年”)(明治4年)7月に日本で発売された。これは明治時代の終わりごろまでに100万部以上を売り上げた。

基本的に成功談とその精神論のまとめ本なのですが、
いつの時代でもこういう本は人気なようです。

「読んだだけで何かが変わる」お手軽なものが欲しいという需要はいつの時代もあるし、
そしてそんなものは存在しないという2つの事実が悲しい気がします。

今でいう意識高い系の本ですが、この翻訳では各章のタイトルがTHE・啓発!
みたいな超絶うっとおしい感じにカスタムされており嫌悪感がわきました。

内容はそんなおかしな本ではないのですが(賛同するとは言ってない)
「勝者になる!」とか「成功!」みたいな本が大嫌いなせいでしょうか、
私が過小評価してる自覚があるのでレビューはしません笑

あえて言うなら、用意された価値観、人の道徳や善性に全依存した理屈ばかりなので、
汎用性や普遍性、応用や再現には欠けているような気がしました。

KindleUnlimited0円で読めるので興味があればどうぞ。

そえば時勢を見ていると

>国民 が 優秀 で あれ ば、 いくら ひどい 政治 でも、 いつしか 国民 の レベル にまで 引き上げ られる。 つまり、 国民 全体 の 質 が その 国 の 政治 の 質 を 決定 する の だ。 これ は、 水 が 低き に 流れる のと 同じ くらい 当然 の 論理 で ある。

S スマイルズ. 自助論―――「こんな素晴らしい生き方ができたら!」を実現する本 (知的生きかた文庫) (p. 10). 三笠書房. Kindle Edition.

これは真実だなぁ…と思ったりしました。



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